愛知県岡崎市での路上生活者襲撃事件は21日、リーダー格の無職、木村邦寛容疑者(28)が逮捕されたことで、今後は、中学2年の3少年(14)とともに事件に至った経緯の解明が進むことになる。木村容疑者については「中学時代にいじめられていた」との複数の証言があり、10歳以上も年下の少年との共謀という特異性に対しては「いじめ体験が少年を傘下に置いて威厳を示す心理的背景になったのでは」との専門家の指摘もある。「弱者の集団」がさらに弱い者を襲うゆがんだ構図が浮かぶ。 関係者によると、木村容疑者は中学校までを同県幡豆(はず)町の実家で過ごした。その後、北海道の技術専門学校に入り、97年に卒業。実家の溶接工場で5年間勤務した後、職場を転々とした。今年9月中旬からは愛知県安城市の倉庫で荷詰め作業員として働いていたが、10月半ばから突然無断欠勤したという。 中学時代の同級生の印象は一様に「おとなしい」。職場の印象も「きちんと敬語が使え、働きぶりはまじめ。おとなしい」だ。しかし父親は知人に「切れると怖い」と話し、二面性も浮かぶ。 中学時代の同級生の男性(28)によると「2年生のころ、所属している友人グループ内でいじめられていた」。近所の女性(60)も「いじめられて学校を休みがちだった。海岸で1人で遊んでいる姿を見た」と言う。別の同級生の男性は「自分が彼の立場なら耐えられないくらい、からかわれていた。友達もいなかった」と話し、「記憶に残っているのはいつも笑顔だったこと。明るいからではなく、つらいから笑うしかなかったのだと思う」と言う同級生もいた。 精神科医の磯部潮さんは「少年時にいじめられた体験の反動で、攻撃的な人格を形成することはあり得る」と語る。さらに、中学生と共に路上生活者襲撃に及ぶ特異な行動は「大人とうまく付き合えず、自分に従う者としかコミュニケーションが取れない社会性の欠如、人格のゆがみ」と説明。「いじめ体験などが影響して特異な人格を形成したのでは」と分析する。 一方、木村容疑者の指示を受け入れた3少年については、「学校や地域、自宅に居場所がないため、悩みの相談などに乗ってもらえる兄的存在を求めたのでは」とみる専門家もいる。 いじめや非行問題に詳しい加藤幸雄・日本福祉大教授は「暴走族などでは年齢による強固な上下関係が築かれる。今回もそれに似た形を取って『浮遊するもの』同士が結びついた新しいパターン」と言う。非行少年が年上に依存するケースは多く、「支配と被支配の関係も生じる。『兄貴』の期待に応えたい、認められたい、との気持ちで暴行がエスカレートしたのでは」と分析する。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061222-00000012-mai-soci
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